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胡錦濤中国国家主席を囲む朝食会での発言について

  • 最終変更日時 2008年5月8日

私が5月8日に開かれた中曽根元総理主催の胡錦濤中国国家主席を囲む朝食会の席上、チベット問題とウイグル問題を取り上げたことに関して、各方面から様々なご意見をいだだきました。今回の発言について改めて私の考えを述べさせていただきます。

朝食会では、まず首脳会談の成果、戦略的互恵の進展について述べ、そのあとチベット問題では次のように発言しました。

「私が小学生のころに日本で東京五輪が開かれた。そのときの高揚感、世界に認められたという達成感は日本に対する誇りにつながった。中国も今、そういうムードにあるのだろう。その中でチベットの人権問題について憂慮している。ダライ・ラマ側との対話再開は評価するが、同時に五輪開催によってチベットの人権状況がよくなったという結果を生み出さなければならない。そうなることを強く望んでいる」

次にウイグル問題について「日本の東大に留学していたトフティ・チュニヤズさんが研究のため中国に一時帰国した際、逮捕され、11年が経過している。彼の奥さん、家族は日本にいる。無事釈放され、日本に帰ってくることを希望する」と具体的な人名をあげて、胡主席に要望しました。

トフティさんの問題については、次のような経緯で問題の存在を知りました。

昨年末、私はウイグル解放運動家のラビア・カーディルさんと「中国を追われたウイグル人」の著者である中央大学講師の水谷尚子さんとお会いしました。ラビアさんはノーベル平和賞の候補者として名前があがったこともあります。

その席で水谷さんからトフティさんの問題を詳しく聞き、さらに今年4月末にトフティさんの奥さまにもお目にかかりました。

奥さまは私に対し「主人は日本でまじめに勉強することを生きがいにしていました」と切々と語りました。トフティさんは中国人ではありますが、学問の自由を保障されている日本で学んでいたのであり、その意味では日本の学徒でもあります。彼自身が取り組んでいる研究課題の延長線で罪に問われたわけですが、日本で学んでいる学生である以上、日本の政治家としてトフティさんの人権を守ることが重要であると考えました。

朝食会の席にふさわしくない問題かもしれませんが、中国との関係ではトップに直接話すことが極めて重要なのです。私は胡主席と会談する機会があれば、この問題を取り上げると決意を固めていました。チベット問題も同様です。

私は安倍内閣で価値観外交、主張する外交を掲げました。自由、民主主義、基本的人権、法の支配という普遍的な価値観を共有する国々の輪を広げていくというのが価値観外交の基本です。

日本人の強い憂慮を直接、胡主席に伝えることは、中国の人権状況の改善への働きかけであると同時に、日本が世界に向けてメッセージを発信することにもなると確信していました。

今後、チベット問題、ウイグル問題、さらにトフティさんの解放など、前進があることを強く期待しています。私自身、政治家として前総理として引き続き取り組んでいきたいと思います。

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